つれづれなるままに~経営者の想い

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最悪こそ最高

一口に、商いの道を極めて、四十年と簡単に言うけれど、気の遠くなるような坂道を
くぐりぬけてきたものです。私は、商いそのものは好きではありませんでした。
お客様からお金を頂くと言うからには、それ相当のお仕事をさせていただかないと
申し訳が立たないと考えていたからです。商人と結婚したため、面白い起伏にとんだ
人生劇場を、味わうこととなりました。
皆さんの中には、もしかして、シニアの方でしたら細うで繁盛記を存じておられる方がいてるかもしれませんが、
橋田須賀子さんの「渡る世間は鬼ばかり」のドラマのような、出来事が連日のように待ち受けています。
 商いとは決して綺麗ごとではありません。成功者は、九十九パーセントの苦悩との闘い、そして一%のひらめきと
幸運だと思います。今、私は、自ら味わってきた苦悩の体験を誰かのお役に立ちたいと思っています。
そんなある日、京都の友人から、知り合いが事業で悩んでいるようなので、お話を聞いてあげて。と、。
煙るような夕暮れの小雨の中、京阪特急に乗って、四条で降りると、友人は京料理を用意してくれました。ご馳走を
前に、語ってくれたのはまだ、お若い事業家のご夫婦の悩みでした。
 その悩みとは、事業が上手くいかないという外側から起ってくるものではなく、むしろ事業が上手くいっている時に
出くわす、内側からの問題でした。つまり、従業員さんとの対立でした。
お話の内容は、事業者なら誰しも経験するような「苦しみ」でした。私には、初めて会うというのに、痛いほどに気持ちが
伝わりました。従業員に給料を支払うために、必死で働き、夜御飯は、セブンイレブンで済ますという、この経営者。
まるで、私のこれまでの経験と重ね合わせたかのようです。
信じていた従業員の裏切りの苦悩は言葉では、はかり知れません。しかし、人は、同情や共感はできても、「苦しみ」
は、自らが解決していくしかないのです。ひとつ、ひとつの苦難を乗り越えることで、人は大きくなるんだと思います。そこで、私は、こう言いました。
「いまに、一番いい方向に解決できますよ。この障害を乗り越えた後には、一回り大きな経営者になっていることでしょう。」
私ごとですが、これまで、商いが好きだと言う夫の気ままに付き合わされ、三十五年の歳月が経ちましたが、今、ようやく真新しい時間が広がっています。
そこには、穏やかで、悲しみや、苦しみさえも、味わい深くかんじる「ゆとり」そのものがあります。
 そこには、商いというものに振り回されながらも、なんとか、自らが成長でき、ここまでたどり着いたものがあるからです。
これから商いされる方、今、何かに衝撃をうけておられる方、前に進むか後ろに下がるか、立ち止まるか。
その選択は、自分自身だけなのです。人は、悩んでこそ、人生のすべてをうけいれ、心の温かさ、、生きることの
素晴らしさ、命の限り人のお役に立てる楽しみやゆとりの本質を見いだせるのじゃないかな?
 このご夫婦に輝かしい人生が待ち受けていることを祈りつつ、人の為に働いている経営者を天は見過ごしたりはいたしませんよ。
もしかして、最悪の事態こそ、最高の人生が待ち受けているのかも。そういう私自身まだまだ、未熟な人間なのです。

 

 

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